もうすぐサンダルの季節がやってきます。今年は例年よりも気温が高く、いつもより早くサンダルを解禁する方も多いのではないでしょうか。
そんな時に気を付けてほしいのが、サンダルからのぞく「かかと荒れ」です。
かかと荒れの3大要素は、乾燥・圧力・血行不良
皮膚科医の今井亜希子医師は、「冬のかかと荒れを放置したまま夏を過ごすと、夏のかかと荒れの要因が重なり、秋以降重症化の可能性もあります」と話します。
夏は足も汗で湿っていることも多いため、かかとなどの乾燥が気にならないかもしれませんが、足の裏には皮脂腺がないので実は乾燥しています。また体重の約70%の圧力がかかとにかかるので、かかとの皮膚は日々重圧に耐えています。さらに、かかとは歩くときの衝撃を吸収するために皮下脂肪が厚く、毛細血管がこの中を通って皮膚に栄養を届けています。しかし、体の末端であり血流が悪くなりやすい部位です。クーラーなどの冷えから起こる血行不良、そして靴や歩き方によって起きる摩擦により、夏でもかかとが硬くなる角化が起こります。
温度差ストレスがかかと荒れを引き起こす!
歩き方のバランスが崩れ運動機能に影響も
今井先生は、「かかと荒れを引き起こす要因として、①日中と夜の温度差、②前日との温度差、③室内外での温度差、の3つの温度差があります。温度差による血行不良で肌のターンオーバーが乱れると、角質が厚くなって乾燥しやすくなり、かかと荒れを引き起こします。
痛みを感じるほどかかと荒れが重症化すると、歩き方のバランスが崩れて、歩きにくくなり、生活に支障をきたします。さらにそれが続くと膝痛や腰痛、肩こりなど全身にも影響することがあるので、早めのケアが重要です。」と指摘しています。
常に負荷がかかる“かかと荒れ“はケアしないと治りづらい!
重症化すると皮膚表面に0.7mmのひび割れができることも
かかとの側面がひび割れて痛みがある方のMRI断層診断による皮膚の画像について今井先生は、「皮膚表面のひび割れは0.7mmの深さであることがわかります。これは角質層を超えている深さです。
ここまでの深さの傷がもとに戻るには、何もしないと通常およそ2週間かかるでしょう。しかし、かかとの皮膚に全く負荷をかけずに生活するのは難しいので、実際はそれ以上かかります。つまり、かかとはケアをしないとなかなか改善しない部位といえます。」と解説します。
[かかと荒れの予防と対策]ケアのポイントは、「気づく」「ケア」「チェック」
携帯のカメラ機能を活用した「フットセルフィー」
ユースキン製薬では、携帯のカメラでかかと撮影して画像を拡大し、荒れていたら保湿ケアをして、さらにチェックをする「フットセルフィー」を推奨しています。アンケート調査では、普段かかとのケアを行っていない方が自身のかかとを携帯で撮影して確認したところ、約半数の方がかかとのケアの必要性を感じたと回答しました(下図)。
今井先生は、「上記の調査結果からも、フットセルフィーはかかと荒れケアの方法として有効と言えます。かかとは自分では見づらいため、携帯で写真を撮って『気づく→ケア→チェック』を習慣にすることが、かかと荒れ重症化予防の第一歩です。」と話しています。
さらに今井先生は、フットセルフィーで撮影した画面をチェックするポイントについて、「まず、皮膚の状態をチェックしましょう。表面のかさつきだけでなく、硬い部分(黄色っぽく見える)やひび割れがあるかどうかもチェックします。合わせて、かかとのふちの色をチェックしましょう。血色の良い肌色であることが重要です。」と解説します。
症状にあった保湿クリーム選び
かかと荒れのセルフケアは、保湿クリームの選び方、塗り方で効果が変わります。
今井先生は「まず、保湿クリーム選びです。ビタミン配合タイプや尿素配合タイプなどがあるので、成分にも注目しましよう。ビタミンEが配合されたものは、保湿効果だけでなく血行を促進する作用もあるので、冷えが気になる方のかかと荒れケアにおすすめです。尿素配合タイプは角質を柔らかくしますが、深いひび割れには刺激になることがあるので注意が必要です。」とアドバイスしています。
効果感を得るためには、量・タイミングも重要
塗り方のコツは、まずタイミングです。
「入浴後、角質層に水分を含んでいる時が有効です。就寝前でもよいでしょう。次に保湿クリームの量です。想像しているより多いかもしれませんが、かかとなら人差し指の指先から第一関節までの量が片足分です。最後に塗り方です。かかとを手の平で包むようにして温め、マッサージしながら塗るのがおすすめです。」(今井先生)
生活習慣で気を付けること
保湿クリームを使ったフットケアに加え、普段から足を健康に保つことを意識して暮らすことも大切です。「足のトラブル予防には靴や靴下などのアイテム選びも大切です。ひもやベルトのない靴(パンプスやブーツなど)は靴の中で足がずれやすいため、タコができたり足の裏の角質が厚くなったりする原因になります。足に合ったサイズで、サポートがしっかりしたものを選びましょう。夏にはく機会が増えるサンダルは、足の甲全体を覆う、ストラップのあるサンダルがおすすめです。甲全体を覆うことで、かかととつま先のずれが少なく、大きな歩幅で速く歩行ができます。」(今井先生)
<フットセルフィーモニター試験結果>
チェック&ビタミン系クリームでケア。3日で症状が改善
かかとの荒れを自覚している30代から50代の17名を対象に、携帯の写真でかかとの状態を確認し、ビタミン系クリームを使用したフットマッサージによるかかとケアを行うフットセルフィーモニター試験を行いました。「17名全員が3日で改善がみられるという結果でした。フットセルフィーは、きっかけ作りだけでなく、正しいケアをすることで見るたびに症状が改善され、モチベーションアップにつながることが推測されます」と今井先生は分析しています。
かかと荒れの重症化を予防するフットマッサージ
かかと荒れの重症化を予防するフットマッサージは、使用するクリームの選び方、量、塗り方、タイミングが重要です。
ビタミンE配合のクリームを使って、お風呂上がりや就寝前にフットマッサージをするのが効果的です。
フットマッサージは動画でもご覧いただけます。
<ユースキンを使ったフットマッサージ方法>