ビジネス

パナソニックが新ドラム式洗濯乾燥機のセミナー開催! 「ザ・ノース・フェイス」のゴールドウインが監修した新コースのこだわりを語る

この秋、ダウンジャケットの洗濯に特化した「ダウンジャケットコース」を新搭載したドラム式洗濯乾燥機を発売するパナソニックが、10月7日に東京都内で「2025年秋・冬の衣類ケアセミナー」を開催した。会場では、同社ランドリー・クリーナー事業部 衣類ケアビジネスユニット 商品企画部の久保和彦氏と五明愛望氏がプレゼンテーションを実施。そのほか、新コースの監修を担った株式会社ゴールドウインの柴田徹氏も登壇し、今回の開発秘話やダウンジャケットの適切なケア方法などが語られた。

ダウンジャケットを自宅で簡単に洗える新コース

国内で年間約400万台が売れる洗濯乾燥機市場において、年々販売シェアを伸ばしているドラム式洗濯乾燥機。昨年は全体の4分の1にあたる約100万台が販売され、高性能のヒートポンプ乾燥を武器に市場をリードしてきた同社でも、今年度上期における洗濯乾燥機販売台数の36%をドラム式が占めたという。

一方、同社が「お手入れに悩む冬物衣料」について行った調査によると、最も多い65%の人が「ダウンジャケット」と回答。また、ほとんどの人がダウンジャケットを1シーズンに1回程度しか洗っていないことも判明したそう。同社がこの秋発売するドラム式洗濯乾燥機「LXシリーズ(10月発売)」「SDシリーズ(11月発売)」全9機種に初搭載される「ダウンジャケットコース」は、そうした世間の悩みに応える便利機能だ。

この秋発売の「LXシリーズ」(左)と「SDシリーズ」(右)

本コースの開発では、アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」の展開で知られる株式会社ゴールドウインとタッグ。この日登壇した久保氏からは「洗濯機を長く大切に使うことを提唱する当社と服を大切に着ることを提唱するゴールドウインさんとの間で、長く大切に衣服を着られる環境作りをしたいという思いが合致した」と開発経緯が語られた。

パナソニック株式会社 ランドリー・クリーナー事業部 衣類ケアビジネスユニット 商品企画 久保和彦部長

中わたの片寄りが起こらず、汚れもしっかり落ちる

五明氏とともに登壇したゴールドウイン開発本部テックラボの柴田氏は、始めにダウンジャケットの洗い方を指南。ダウンジャケットを手洗いする際のポイントは「中わたが片寄らないようにやさしく洗い、綺麗な水でくりかえしすすぐこと」だとし、具体的なコツとして「①やさしく、まんべんなく全体を洗うこと」「②すずきを十分に行うこと」「乾燥途中に中わたをほぐすこと」の3点が紹介された。

株式会社ゴールドウイン 開発本部 テック・ラボ 柴田徹氏

2021年に始まったゴールドウインとの協業の結晶といえるダウンジャケットコースは、パナソニック独自の「スゴ落ち泡洗浄」と3D見張りセンサーによる「低振動設計技術」を組み合わせ、さらにシーケンスに工夫を加えることでこれら3つの点をカバー。ボタンひとつで丁寧にダウンジャケットを洗えるのが特徴だ。

「通常ダウンジャケットの中わたというのは汚れておらず、むしろ洗う際に濡れた状態で力がかかることで絡まり、片寄りが起こることが分かった」と、今回のゴールドウインとの協業で得られた知見を語った五明氏。

パナソニック株式会社 ランドリー・クリーナー事業部 衣類ケアビジネスユニット 商品企画部 五明愛望氏

それを踏まえて本コースの洗い行程は、中わたに水が浸透する前に低圧のシャワーと揺り洗いで生地表面を洗う仕組みになっており、また、洗剤の効果を最大限引き出す「スゴ落ち泡洗浄」の泡水を絶えず循環させて洗うことで、表面に着いた皮脂やファンデーションなどの汚れもしっかり落としてくれるという。

次のすすぎ行程では、3回繰り返されるすすぎの間の中間脱水に工夫が。しっかり排水をして水を切ってから中間脱水を行うことで、その後の脱水の失敗を防ぐ設計になっている。

そして仕上げの脱水行程では、ダウンジャケットの中に洗剤液が残ってシミにならないよう、少しずつ段階的に回転数を上げて脱水を実行。しっかり水を抜き切り、合計約47分の洗濯時間でやさしく綺麗に洗い上げる。

「ダウンジャケットコース」で洗った場合(左)と手洗いの場合(右)の比較

なお、特定の製品表示のある800グラム以下のジャケットであれば、ダウンコートのような長い丈のものでも洗濯が可能とのこと(ただし、防水加工とシームレス加工の製品は非対応)。

2026年度、国内シェア40%を目指す

会場では、新機種のその他の進化ポイントとして「従来モデル比で消費電力量約10%削減」「汚れはがし剤対象コースの拡大」の紹介があったほか、プレゼン後には、同社製品に搭載されているコア技術の仕組みを知る見学ツアーも実施。「スゴ落ち泡洗浄」の要で、洗剤液を泡立ててドラム層内に送り込む「泡生成ボックス」と泡水を循環させる「循環ポンプ」。機体上部に設置することで風の循環効率を高めたヒートポンプユニットや低振動設計の重要部である「流体バランサー」の内部が実物とともに紹介され、リーディングカンパニーならではの技術力の高さを実感することができた。

ヒートポンプユニットの内部

「当社は今後も暮らしを清潔する進化と新たな生活スタイルへの対応を軸に製品を磨き続け、2026年度の国内ドラム式洗濯乾燥機市場においてシェア40%を目指していきたい」と語った久保氏。ダウンジャケットで絶大な人気を誇るメーカーとの協業で生まれた新コースは、大いに話題を集めそうだ。

「ダウンジャケットコース」を初搭載したパナソニックのドラム式洗濯乾燥機「LXシリーズ」「SDシリーズ」は10月から順次発売。