皆さんは現在、テレビ番組の「録画」をどれくらい活用しているだろうか。レコーダーを駆使して好きな番組を自由に録画・視聴している人もいれば、見逃した番組はサブスク頼みで録画は必要ないという人もいるだろう。「後から視聴」の手段がVHSやDVDに限られていた遥か昔に比べると、その付き合い方は非常に多様化している。そうした中、録画機を手がける家電メーカーは、どのような付加価値を生み出すことで「録画」という文化を次の時代へつないでいこうと考えているのだろうか。ブルーレイディスクレコーダー『全自動ディーガ』を展開するパナソニックが10月15日に行った新製品体験セッションでは、その問いへのヒントにつながるようなトークが繰り広げられた。
全自動ディーガが「クラウド録画」搭載で激スゴ進化!
パナソニックが10月下旬に発売する『全自動ディーガ』(以下、ディーガ)の新製品は、最大10チャンネル×28日間分の「全自動録画」、スマホと連携して放送中の番組や録画済み番組を外出先等で見られる「どこでもディーガ」という従来の特徴に加え、テレビ録画をクラウドストレージに残せる「クラウド録画」と、録画番組の編集がより簡単に行える「プレイリスト」の機能を新搭載。保存先に新たな選択肢が加わることで保存容量の増加が可能になるだけでなく、コンテンツ整理の効率化を実現した。なお、クラウドはGoogleドライブとMicrosoft OneDriveに対応する。
この日の新商品セッションでは、同社・コンシューマーマーケティング ジャパン本部の商品マーケディングセンターでAVC商品部の部長を務める金澤貞善氏が始めに登壇。

最初に「私たちはテレビ番組を録画して、それを好きな時間に見て、大切なコンテンツは残すというところに、まだまだ大きな価値があると考えています」と述べた同氏は、今年でブルーレイ対応のディーガが今年で20周年を迎える点に触れ、その間、3D再生、全自動録画、4Kユーザーの対応など、技術の進歩や視聴スタイルの変化等に合わせてさまざまな進化を遂げてきた歩みを強調。その上で、配信サービスの急速な普及に伴い厳しい状況を迎えているレコーダー市場の現状について述べ、「そうした中でも市場にポジティブな要素として『推し活』があります」と話すなど、時代に沿ってさらに変化し続ける姿勢を見せた。
鋭い映画・ドラマ評で人気の大島育宙が自身の“録画論”語る
続いて、映画・ドラマ評論家の大島育宙氏をゲストに招き、同社・コンシューマーマーケティング ジャパン本部でディーガのマーケティング落合洋介氏とのトークセッションを実施。レコーダーで録画する際の悩みや不安、お気に入りの番組を手元に残しておきたいニーズなどについて意見を交わした。

冒頭、「僕はサブスク動画配信にめちゃくちゃ依存していて、ほとんどのサービスに加入しているので、録画という文化にはもう諦めていた部分があるんです。ただ、今回、『クラウド録画』という機能が加わって、かなり生活が変わると思っています」と率直な思いを明かしながら、新製品に期待を寄せた大島氏。
同氏は続けて、「今はテレビ画面で見るよりもスマートフォンやパソコンに配信されているものを見る時間が多いですし、自分より若い世代で一人暮らしだとテレビを持っていないという人も増えています。ただ、推し活がメジャーになって、テレビに自分の推しが出ることや同じ推しがいる人同士がテレビで同時に盛り上がることなど、テレビがそれぞれの人に与える影響が変わってきたことで、録画の価値も見直されると思います」としながら、「SNSで突発的に面白いものがシェアされても、それがサブスクでは見つからなかったりして追えなかった場合に、全部録画しているレコーダーがあればワンタッチで見られる。そういう需要も高まっている感じがしますね」と、今の時代ゆえのレコーダーの価値について語った。
その後は、同社がブルーレイ/HDDレコーダーの所有者を対象に実施したアンケートの結果をもとにトークが進行。「62.5%の人が録画失敗や録り逃しの経験あり」「70%の人が『録画予約自体を忘れてしまった』経験あり」といった結果がピックアップされると、大島氏は「ネットでやっている面白いものに夢中になっているうちにテレビで面白いものを逃してしまうというのが当たり前になっていて、もうみんな諦めている部分もあるのでは」と、その原因を推測。その上で「技術的にキャッチアップできたはずの部分をみんなが手軽にできるということが、今回の新機能で実現していくと思います」とコメントした。

次に「66.3%の人が、録画したものを『泣く泣く消した』経験あり」という結果に対して、同氏は「ものすごくマメでオタク的な知識がある人なんかは、ディスクに焼いて保存していると思うけれど、多くの人はそんな余裕がないから、引っ越しや機器が壊れたタイミングになると(全部の保存を)諦めていた。でも、クラウドで保存や編集ができるようになると、単に容量が増えるだけではなく、自分が何をどれだけ保存しているかを手触りで確認できるところも大きくて、意図的に残すモチベーションが上がるはず」と私見を述べた。
見ることに追われる時代は終わり、好きなものを深く鑑賞する時代に
一方、お気に入りの番組を自由にタグ付けして整理・抽出できる「番組タグ」と、録画データを加工せずに指定箇所だけの別データを作成・編集できる「プレイリスト」についても、大島氏は「僕は推しが具体的に存在するので非常に嬉しい」と高評価。「2組の推しグループが裏番組に出ていたりすることもあるので、スムーズに保存できるところがいい」と、自分だけの“ベスト盤”を作れるメリットを自分ごととして語った。

そのほか、「ここ20年くらいの間に、クラウド上にバックアップを取ることに慣れてきて、『何でテレビだけできないんだよ』という怒りみたいなものをみんなが抱えてきた中で、やっとそれに応える製品が出てきてくれた。何かの推しがいる人や何かのオタクである人には必須のアイテムになるんじゃないですかね」と、新しいディーガを推した大島氏。最後は「今はサブスクが盛り上がってYouTuberの配信もどんどんリッチになり、テレビ放送だけが中心ではないフラット化したコンテンツがあふれる時代。その中で、見るコンテンツの多さに大変になってきたのがここ数年の動きですが、そういう時代はもういいんじゃないかと僕は思っていて、これからは自分が好きなものを選んで深く鑑賞する時代が回帰してくるような気もします」と述べてトークを締めくくった。
10月下旬発売の『全自動ディーガ』は、4K放送対応モデル、通常モデルそれぞれ3タイプの容量での展開。すべてオープン価格で、市場想定価格は4K放送対応モデル容量10tbの「DMR-4X1010が43万円前後、通常モデル容量6TBの「DMR-2X610」が24万円前後などとなっている。
VHSの時代などを生きてきた世代と、それ以降の世代によっても文化そのものが異なるであろう「録画」の価値。そうした現代にパナソニックが示した答えを、新しいディーガで確かめてみてはいかがだろう。