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5月31日は世界禁煙デー!受動喫煙防止のために東京タワーをイエローグリーンにライトアップ

世界禁煙デーの5月31日、喫煙による健康への影響や受動喫煙防止の必要性について啓発を行うべく公益社団法人日本医師会と公益財団法人日本サッカー協会が共同で東京タワーをイエローグリーンにライトアップするイベントを開催。このイエローグリーンは、受動喫煙をしたくない、させたくないという意思を表す色として、例年全国各地でライトアップや啓発活動が行われているそうです。また19時のライトアップに先立って、日本医師会の松本吉郎会長と日本サッカー協会の宮本恒靖会長が登壇し、受動喫煙防止の必要性についてトークセッションを行いました。

日本医師会の松本吉郎会長(右)と日本サッカー協会の宮本恒靖会長。

日本医師会が国民向けに制作した冊子『禁煙は愛』を手に、受動喫煙をしたくない、させたくないという強い思いを熱く語る松本会長。

宮本会長は「選手や審判、指導者、サポーター、その家族だけでなく、たくさんの人に喫煙のリスクであったり、受動喫煙の防止の大切さを知るようなきっかけになれば」とコメントしました。

松本会長によると、喫煙が習慣化すると血管が収縮して酸素不足となるばかりでなく、肺そのものにもダメージを与えてしまい、持久力が落ちてしまうそうです。またニコチンには覚せい剤と同じように中毒性があり、吸い続けるとニコチン依存になって、ニコチンが切れた際に集中力が衰え、瞬発力も低下してしまうことも。これを聞いた宮本会長は、「個人的にはタバコを吸ったことがないので、どれぐらいの影響なのかっていうことはちょっとわからない部分ではあります。サッカー選手は1試合あたり最低でも10キロぐらい、多い選手で12.7〜13キロぐらい走ります。そういう意味で、持久力に影響がある喫煙はやはり問題があると思いますし、持久力だけではなく、瞬発力や集中力も必要ですから、スポーツをプレーをするにあたって、喫煙というのはあまりいいことはないなという風に改めて思いますね」と感想を述べました。また自分が日本代表選手だった時を振り返り、「かつてはタバコを吸う選手もいたが、最近の選手はいないですね」と現在の日本代表選手の意識の高さをアピールしました。

そして「紙巻きタバコの煙は14〜15メートルくらいの距離でも届く」という松本会長の言葉に「サッカーのペナルティエリアの縦幅が大体16.5メートルぐらいなので、もしキーパーが吸っていたらペナルティエリアを出なければ安全ではないといえば、みなさんわかりやすいかもしれないですね」とジョークを交えつつ、「子どももプレーするサッカーは指導者だったり観戦者だったり代わりの大人が喫煙すると受動喫煙に至る可能性があるため、様々なハラスメントから子どもを守るためにJFAが出しているサッカーファミリー安全保護宣言には受動喫煙から守らなくてはならないことが明記されている」と語りました。

トークセッション終了後には、ライトアップの点灯式が執り行われました。ふたりがスイッチを押すと、東京タワーのライトの内、268灯がイエローグリーンに点灯しました。

芝公園駅近くから見えた東京タワーの様子。辺りで東京タワーを見上げていた人は口々に「なんか東京タワーの色がいつもと違うね」と驚きながらスマホで写真を撮っていました。ライトアップイベントの効果は上々なようです。

例年、禁煙のための啓発冊子を発行している日本医師会ですが、今年度は改訂を行い、新型(加熱式など)タバコに関する様々なリスクや最新の知見も網羅されています。紙巻きタバコと比べて健康被害が少ないと一話れる新型タバコですが、それでもリスクはゼロではないことを知るためにも、ぜひ冊子『禁煙は愛』で確認して受動喫煙を防ぐ対策を考えてみてほしいと思います。