「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「休んでもなんとなく気分が重い」。そんな感覚を抱えたまま、毎日を過ごしている人は少なくありません。
キリンホールディングス株式会社が実施した「現代人の疲労に関する調査」によると、30~50代の社会人の90.3%が、肉体的な疲労に加えて“主観的・感覚的な疲れ”である『疲労感』を感じていることが明らかになりました。さらに、そのうちの91.0%が「疲労感はストレスや緊張などの心理的負荷と関係している」と実感していると回答しています。現代人の疲れは「体を休めるだけ」では解消しきれない、より複雑な構造を持っているようです。
9割以上が感じている『疲労感』その正体は「精神的ストレス」

調査によると、疲労(肉体的な疲れ)とは別に『疲労感』を感じたことがある人は90.3%に達しました。内訳を見ると、「頻繁に感じる」(28.9%)「たまに感じる」(46.7%)「感じたことがある」(14.7%)と、約3割が慢性的に疲労感を抱え、約半数が定期的に感じていることが分かります。
また、『疲労感』と心理的負荷の関係について尋ねたところ、「とてもそう思う」(37.5%)と「そう思う」(53.5%)を合わせ、91.0%が『疲労感』と心理的な要因との間に関連性があると実感していることがわかりました。
この結果から現代人の多くが感じている『疲労感』は、単なる身体的な消耗だけでなく、心理的負荷「精神的なストレスによる問題」に深く根ざしている可能性が高いことが分かりました。この『疲労感』を解消するためには、心のケアという側面からのアプローチも重要であることがうかがえます。
心理的負荷の最大要因は「職場の人間関係」

心理的負荷を感じる要因として最も多かったのは「社内の人間関係」(31.1%)でした。続いて、「睡眠不足」(26.3%)、「上司との関係」(22.9%)、「業務量の多さ・納期の厳しさ」(21.7%)が上位に並び、心理的負荷が『人間関係』『睡眠』『業務』と3つの領域に集中していることが明らかになりました。
特に人間関係に関しては、「社内の人間関係」「上司との関係」「部下との関係」が複合的に絡み合い、簡単には切り離せないストレス構造を形成しています。また、業務量だけでなく「仕事内容・やりがい」(21.1%)が高い割合を占めている点から、仕事への納得感の低下も疲労感を増幅させる要因であることがうかがえます。さらに、現代社会の背景として、第2位の「睡眠不足」(26.3%)に加え、「運動不足」(12.6%)や「慢性的な体調不良」(10.7%)など、体調管理に関する項目が上位に食い込んでいる点も注目ポイントです。仕事や人間関係の負荷が、自律神経の乱れや体調不良を引き起こし、それがさらなる心理的負荷を生むという負のサイクルに陥っている現代人の実態を映し出しています。「将来への不安」(15.4%)という回答からも漠然とした不安が個人のストレスレベルを底上げしている背景が読み取れます。
年齢とともに強まる『疲労感』の実感

年代別に見た疲労感の認識では、年齢が上がるにつれて「強い疲労感(7点以上)」と評価される割合が増加し、特に50代の疲労感が最も深刻と認識されている実態が明らかになりました。
具体的に「強い疲労感」(スコア7以上)を感じていると認識されている層は、30代(39.3%)、40代(52.1%)、50代(60.8%)で、30代と50代の差は20%以上。また、最高値の「非常に強い疲労感(10点)」と評価された割合は、50代で唯一10%を超えています。この結果は、疲労感が徐々に蓄積されるだけでなく、40代以降に質的な変化を伴って深刻化していくことを示唆しています。
また、年齢による疲労感の変化について尋ねたところ、70.8%が「年齢が上がると疲労感は増していく」と回答しました。理由としては、「体力が落ちるから」「肉体的な衰え」といった加齢に伴う身体機能の低下と回復力の低下に関するものと、「責任が増えるため」「仕事での立場が上がる」といった社会的役割や業務負荷の増加に関するものに大きく分かれました。
身体的な衰えと社会的責任の増加が同時に進行することで、疲労感が慢性化しやすい構造が生まれていると考えられます。また、多くの現代人が、自身の体力の衰えを自覚しつつも、組織や家庭での責任が増すことで「疲労感が増していくのは避けられない」と感じている背景が浮き彫りになりました。
■調査概要
調査対象:30~50代/全国/男女/1,800名
調査方法:インターネットアンケート調査
調査期間:2025年10月31日(金)~11月3日(月)
※キリンホールディングス調べ
今回の調査から、現代の『疲労感』に対しては、体のケアだけでなく「気持ちのケア」が欠かせないということがわかりました。忙しさや責任が増す現代社会だからこそ、体だけでなく気持ちにも目を向けること。それが健やかに毎日を過ごすための、新しい疲労ケアの考え方なのかもしれません。