久々にGWを満喫。しかし膝に違和感が、、、
都内に住む50代の男性は、今回の大型連休は行動規制もなく、久しぶりに、旅行に出かけました。久しぶりの旅行のため、張り切って色々な観光地をめぐり楽しみましたが、家に帰ってきて落ち着いた時にふと膝に違和感を覚えたと言います。「以前は草野球など活発に運動をしていましたが膝などに違和感を覚えるようになり、やめてしまいました。最近はコロナの影響で運動することもなかったので今回のようにいつもよりたくさん歩いただけで膝に違和感を覚えるとは思いませんでした。定期的に身体を動かさなければと思っていましたが膝に痛みなどが出始めたらますます動かなくなってしまいますね」と振り返ります。
「ゴールデンウィーク明けから、膝の痛みの患者さんが増える傾向にある」と語るのは、全国から様々な膝の痛みを抱える患者を受け入れている東京都練馬区の関町病院 院長の丸山医師。急な運動で膝のトラブルを起こす人が後を絶えないと言います。
実は40代男性が最も多く感じる「膝のトラブル」
日本全国ひざ痛に悩む患者数は3,000万人1と言われ、50歳以降の男女比(患者割合)では、女性が男性よりも1.5~2倍というデータがあります2。
コラーゲン・トリペプチドを製造販売するゼライス株式会社(宮城県多賀城市)が、40代から70代の、膝に違和感を覚えたことがある男女400人を対象に行った調査では、痛みはなくても膝に音や違和感を覚えているのは40代男性が最も多く、40代男性の9割以上いることが分かりました。
*1「介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について 報告書」平成20年7月 介護予防の推進に向けた運動器疾患対策に関する検討会 より
*2「変形性膝関節症の疫学」大森豪 古賀良生 臨床整形外科2007 Vol.42 No.1
膝のトラブルの始まりは「ポキポキ」などのひざ音⁈
ひざ音は状態の変化に伴い3段階に大別。ひざ音のメカニズム
調査では、若い時に感じなかった膝の音や違和感について「ポキポキ」と表現する方が最も多くいました。前出の40代男性も、「運動を始める前から膝を曲げる時、ポキポキと膝の音がしていた」と語ります。
丸山医師は、膝の軟骨の状態に合わせて3段階のひざ音の変化があるのではないかと指摘しています。「正常な膝軟骨は、関節液に浸っているため摩擦抵抗が少ない状態です。加齢などが原因で膝軟骨の水分量が減ると摩擦で抵抗が大きくなります。膝軟骨が摩耗していき、局所的に圧迫力が増えることでギシギシやポキポキなどのひざ音を感じると考えられます。
さらに膝軟骨のすり減りが進み関節の表面がつるつるになると、逆にひざ音を感じにくくなることもあります。滑膜炎により関節液が増えた状態でも音は減少します。生活に支障が出るほどの痛みではなく、ひざ音がしないからと放置しておくと、ついに軟骨下骨まですり減り、ひざ音が『ゴリゴリ』『ザラザラ』に変わり、痛みも強く感じるようになってきます。」と解説します。
「つまり、最初にひざ音を感じた時がケアを始めるタイミングといえるでしょう。一度でもひざ音を感じたことがある方は、その後、ひざ音がしなくなったらむしろ要注意です」と膝ケアを始めるタイミングの重要性を語ります。
さらに、「米国の調査研究では、膝関節の音の頻度が高いほど変形性膝関節症である確率が高いことが示されています。変形性膝関節症は、サルコペニア、骨粗鬆症や認知症とも関連性が高く、その予防に膝の音は、重要なアラームの一つとして認識すべきといえるでしょう」と、早期膝ケアの重要性を語ります。
ひざ音を感じたら、ケアを始めるサイン
放置していると数十年後に重症化の可能性も
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、介護が必要な要支援者では、関節疾患が19.4%と最も多いことがわかっています。
「過去に、変形性膝関節症だと思って来院した患者さんが検査の結果骨壊死を起こしていました。その患者さんの場合は、骨壊死を起こしている箇所に部分的な人工関節の手術をしました。膝の違和感を放置せず、早期発見・早期治療ができていれば、自分の骨軟骨を移植することにより温存できるケースも数多くあります」と丸山院長はアドバイスしています。
「また、膝の痛みが慢性化している人の多くは、40~50代の時に、膝の音やこわばりなどの違和感を覚えていた方が多いようです。膝の痛みは、心にも影響を及ぼすことがあります。10年後、20年後に膝の痛みで暮らしに支障が出ないよう、膝の痛みも他の内臓の疾患と同様、早期治療が肝要です」と注意を呼び掛けます。
ひざ痛を重症化させないために。まずは日常生活と栄養の見直しを
丸山院長は、「ひざ痛重症化予防の第一歩として、『ひざ音』に注目してみましょう。膝を動かす時にポキポキ、ゴリゴリなどの音がするように感じたら、日常生活を見直しましょう。日常生活の注意の他に軟骨構成成分の生産を促進する成分として、コラーゲン・トリペプチドの摂取も有効です。すでにひざ痛をお持ちの患者様では、他の療法と併用することで治療効果があがることがわかっています。」と語ります。
軟骨部分の摩耗、破壊を軽減する機能性を確認
動物園との共同研究を行っているゼライス株式会社中央研究所(宮城県多賀城市)では、コラーゲン・トリペプチドに関して独自の研究を進めています。「変形性関節症」におよぼす効果を確認するために、膝関節半月板部分切除によるウサギを用いた検討を行いました。
その結果、コラーゲン・トリペプチド(CTP)の経口摂取によって、35日後には、コラーゲン・トリペプチド摂取群では最も亀裂が小さくなり、対照群およびコラーゲンペプチド(CP)群よりも軟骨破壊が軽減されることが示されました (下図)。
また脛骨組織像では、対照群と一般的なコラーゲンペプチド群は、軟骨部分(上部のピンク色に染まっている部分)の磨耗が激しく、厚さが薄くなっていることが確認されました(下画像)。これに比較して、コラーゲン・トリペプチドは、その軟骨部分の磨耗および軟骨破壊が軽減され、高い機能性が示された結果となりました。
軟骨部分の摩耗、破壊を軽減する機能性を確認
コラーゲン・トリペプチドの「変形性膝関節症」に及ぼす効果を確認するために、日常的に膝関節痛を自覚している比較的軽度の変形性膝関節症の被験者を対象にヒト臨床試験を実施しました。
通常24週間(6カ月)から40週間(10カ月)行う期間を10週間で実施したにもかかわらず、5週間で圧痛症状に改善がみられました(下図)。また、別の調査では、4週間で4人のうち3人が関節の痛みが改善したとの報告もあります。
このような臨床試験結果により、コラーゲン・トリペプチドの膝の痛みへの効果は、整形外科医から注目されつつあります。