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年末年始の旅行トレンドを調査! 沖縄の人気復活と近距離アジアへの“弾丸旅行”が主流に

株式会社TimeTreeの社内研究所『TimeTree未来総合研究所』と株式会社令和トラベルが運営する旅行アプリ『NEWT(ニュート)』は、2025年~2026年の年末年始の旅行動向調査を共同で実施しました。コロナ前の8割超まで戻った旅行需要ですが、今回の調査からは、“今選ばれている旅”のトレンドが見えてきました。

コロナ後に回復してきた旅行需要も伸びはやや鈍化

TimeTreeに登録された予定データから、2019年以降7年間における年末年始(12月25日~翌年1月4日)の「旅行」予定の推移を分析した結果、2025年の年末年始の旅行予定登録数は2019年比で83%となりました。一時期はコロナ禍の影響で大きく減少しましたが、2022年以降は回復基調に転じ、2023年73%、2024年88%と上昇を続けてきました。2025年は前年を5ポイント下回ったものの、コロナ前の8割超の水準を維持しており、回復基調は継続しています。一方で、物価高や宿泊費の上昇を背景に、日本人の旅行需要の伸びはやや鈍化しつつあるようです。

国内旅行は沖縄が人気復活!温泉地や都市部も安定の人気旅行先

「旅行」とともに登録された予定ワードから人気の地名をランキング化した結果、国内では沖縄が3年ぶりに首位へ返り咲きました。年末でも温暖な気候に加え、2025年夏に開業した新テーマパークへの注目が人気を押し上げたとみられます。前年まで1位だった大阪は万博閉幕後の落ち着きもあり2位に後退しましたが、東京や京都といった都市部とともに引き続き安定した人気を保持しています。温泉地の箱根や熱海、伊豆なども選ばれており、年末年始をゆったりと過ごす旅行スタイルの人気がうかがえます。

海外旅行は近距離アジアへ“弾丸旅行”が主流!

NEWT予約データによると、年末年始における海外旅行の出発日は12月26日に集中し、帰国は1月2日または1月6日に多いことが判明。旅行日数は、2泊3日~3泊4日が全体の約80%を占め、短期で効率よく楽しめる“弾丸海外”が主流となっています。行き先は、1位 韓国、2位 台湾、3位 香港、4位 ベトナム、5位 グアムと、近距離アジアが上位を独占しました。旅行代金はグループ合計9万~17万円台がボリュームゾーンで、費用と距離のバランスを重視した傾向が見られました。予約者の傾向を見ると、海外旅行は20代と50代が積極的であるのに対し、子育て世代は国内旅行を選ぶ傾向が強く、ライフステージに応じた旅のスタイルの違いが明確となりました。

為替×物価で分析!年末年始、コスパがいい旅行先は韓国とベトナム!

直近1年間の為替変動と物価上昇率から、旅行先の「コスパ」を分析した結果、もっとも費用対効果が高いのは韓国という結果になりました。もともと若年層に人気の行き先でしたが、ウォンに対する円の相対的な安定や現地物価の伸びが比較的穏やかなことが理由とされています。4位のベトナムも物価の大幅な上昇が見られず、為替物価指数が100%を下回るなど、依然として“コスパの良い海外旅行先”として魅力が続いています。

一方で、人気2位の香港や、欧州で唯一ランクインしたイタリアは、為替と物価の上昇によりやや割高傾向にあるものの、ツアーやホテルグレードの選び方によっては、費用を抑えて旅行することも可能とのことです。

*物価データ:みずほ銀行 ヒストリカルデータ「公示データ(2002年~)」https://www.mizuhobank.co.jp/market/historical/index.html
*物価データ(ハワイ):U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS「Databases, Tables & Calculators by Subject」
https://data.bls.gov/timeseries/CUURS49FSA0?amp%253bdata_tool=XGtable&output_view=data&include_graphs=true
*為替データ:TRADING ECONOMICS
https://tradingeconomics.com/indicators

「銀行休業日」を予定に入れるのは日本だけ?世界6カ国の年末年始を比較

今回の調査で最もユニークだったのは、世界6カ国の年末年始の予定ワードを比べると、日本だけが「銀行休業日」を予定に入れているという点。年末年始に銀行が一斉休業する日本ならではの習慣と、現金文化の根強さが予定データにも表れています。アメリカやイギリスでは年末年始でも「Work(仕事)」が上位に登場し、台湾や韓国では学校行事が目立つなど、各国の文化や生活の違いが鮮やかに浮かび上がりました。


TimeTree未来総研所長 深川 泰斗氏コメント
今回の共同調査では、TimeTreeならではの世界6カ国比較と2019年からの長期推移データに、 NEWTの詳細な予約データと為替×物価分析を組み合わせることで、 年末年始旅行の”今”を立体的に捉えることができました。特に興味深いのは、『銀行休業日』を予定登録する日本独特の行動です。欧米では年末年始も『Work』が上位に来る中、日本人は銀行の営業日を意識して計画を立てる。これは単なる文化の違いではなく、いまも現金決済が根強い日本の特性が、人々の行動計画に深く刻まれている証拠です。旅行動向を見ると、物価高の中でも人々は『賢く旅する』術を身につけ始めています。国内では新テーマパーク効果もあってか沖縄が復活し、海外では韓国・ベトナムといったコスパの良い渡航先を2〜3泊で効率的に楽しむ。20代と50代が海外旅行を牽引し、子育て世代は国内でゆったり過ごすという、ライフステージに応じた旅の選択も浮かび上がってきました。 旅行回復が83%で踊り場を迎えた今、量から質への転換期だと考えています。


株式会社令和トラベル 執行役員兼リサーチ統括 大木優紀氏コメント
今回の共同調査では、TimeTreeさんの予定データとNEWTの予約データを組み合わせることで、年末年始の旅行行動の変化をより明確に捉えることができました。特に印象的だったのは、「旅行需要は回復しつつも、旅の選び方がこれまで以上に“慎重かつ合理的”になっている」という点です。物価高や円安といった環境の変化を受けつつも、人々は短期間でも海外を楽しむ若年層・ミドル層、国内でゆっくり過ごす子育て世代など、自身のライフステージに合わせて、無理なく楽しめる旅を選んでいることがわかりました。特に近距離アジアを中心に「移動のしやすさ」や「現地体験の満足度」を重視する傾向は、NEWTの予約データにもはっきり表れています。また、為替と物価の両面から“いま円でどこまで楽しめるか”を分析すると、韓国とベトナムのコストパフォーマンスが際立ちました。円安・物価高が続くなかでも、目的地によってはまだまだ“おトクに海外を楽しめる余地”があります。一方で、台湾やイタリアのように割高傾向にある地域も、ツアーの選び方次第では十分に手が届く選択肢になり得ます。


物価高や円安といった状況が続く中でも、旅は人々にとって着実に“戻ってきた時間”となってきています。今年の年末年始は、無理をしすぎず、それぞれの生活スタイルに寄り添った旅が広がるシーズンになりそうです。国内の都市部や温泉地でゆったり過ごすもよし、韓国やベトナムでサクッと海外旅行へ行くもよし。今回の調査結果を参考に、あなたにとっての“ちょうどいい旅”を考えてみてはいかがでしょうか。


調査概要
・TimeTree未来総合研究所調べ
分析データについて
2019年1月1日~2026年1月4日の期間で登録されたデータを対象として分析(登録ユーザー数は2019年1月時点で1200万超、2025年11月時点で7000万超)
分析に使用したデータは、匿名性を保つために統計的に処理。
・旅行アプリ『NEWT(ニュート)』調べ
集計データ:『NEWT』予約データ
集計対象:出国日が2025年12月25日〜1月4日までの海外ツアー

出典元:「TimeTree未来総合研究所」と旅行アプリ『NEWT(ニュート)』の「2025年〜2026年・年末年始旅行」共同調査
https://timetreeapp.com/intl/ja/newsroom/2025-12-02/timetree-newt-traveltrends-20252026