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『うまさ開発!高校生うみうまレシピコンテスト』結果発表!全国の高校生144チームの応募から選ばれた16チームが最終審査会で大健闘!

「復興水産加工業販路回復促進センター」と東京山手調理師専門学校を運営する「学校法人村川学園」が主催する『うまさ開発!高校生うみうまレシピコンテスト』の最終審査会が、1月7日(日) に東京山手調理師専門学校にて行われました。

『うまさ開発!高校生うみうまレシピコンテスト』は、全国の高校生を対象に、東日本大震災被災地域の指定された水産加工品を使用したレシピを開発するコンテスト。指定された三陸・常磐の水産加工品(ボイルホタテ/いかそうめん/笹かまぼこ/松川浦産あおさ/寒いわし水煮缶詰)を1種類使用し、日本料理・西洋料理・中国料理のいずれかの部門で、食材の特性を生かしたオリジナリティあふれるレシピを募集しました。一次審査には全国の高校26校144チームから応募があり、最終審査会には一次審査を通過した全16チームが集まりました。審査員には、Maison Tateru Yoshinoプロデューサーの吉野建氏※1、中国料理 Wakiyaグループ オーナーシェフの脇屋友詞氏、株式会社whole4000 代表取締役の菰田欣也氏、国際日本料理協会会長の藤口晃一氏、日本料理 よし邑 取締役総料理長兼支配人の冨澤浩一氏、レストランJULIA エグゼクティブシェフのnao氏が務めました。最終審査は部門ごとに行われ、各チームが制作時間90分の中で考案レシピを調理し、2名分盛りつけて完成。さらに審査員を務めるトップシェフへ5分間のプレゼンテーションと、実食による審査となりました。各部門の審査の後、参加チームが集まり表彰式が行われました。なお、コンテストに入賞したレシピは、今後一般販売も予定されています。

※1 吉野 建氏の「吉」は、正しくは「土」の下に「口」

~中国料理部門~

中国料理部門 調理の様子

はじめに行われたのは中国料理部門。最終選考には宮城県農業高等学校、東京都立赤羽北桜高等学校、熊本県の慶誠高等学校の3チームが選ばれました。

金賞は熊本県の慶誠高等学校が製作した「あおさのタイピーエン」。もともとあおさが大好きであおさの魅力を世の中に伝えたいという想いからレシピを考案したそうです。あおさの風味は料理のアクセントになり、保存食としても有効で、ミネラルなど不足しがちな栄養価が補えます。熊本の名物である「タイピーエン」と「あおさ」をコラボしたレシピが見事金賞に輝きました。

~日本料理部門~

日本料理部門 調理の様子

続いて行われた日本料理部門には、東京都立赤羽北桜高等学校、埼玉県立新座総合技術高等学校、愛知県立緑丘高等学校、奈良県立国際高等学校、徳島県立徳島科学技術高等学校の5チームが選出されました。

金賞は東京都立赤羽北桜高等学校の「イカソーメンの天ぷら」。プレゼンでは、自身で制作した曲「いかの天ぷらのうた」の映像を披露しました。これまでの衣をつけて揚げる天ぷらでは、時間が経つとどうしてもしっとりしてしまうため、時間が経ってもサクッとした天ぷらを目指し、「天かす」をまぶしたレシピを考案したそうです。見た目のイカの吸盤らしさも表現されています。中に入れたイカソーメンの天ぷらには、衣にあおさを混ぜて香り良くしました。

~西洋料理部門~

西洋料理部門 プレゼンテーションの様子

西洋料理部門では、宮城県の仙台城南高等学校、群馬県の桐生第一高等学校、静岡県立相良高等学校、長野県飯山高等学校、岐阜女子高等学校、岡山県立井原高等学校、鹿児島県の神村学園高等部、沖縄県立美里工業高等学校の全8チームが最終選考会に参加しました。

金賞は岡山県立井原高等学校の「食感楽しい!ホタテのクリーミーサンド」。テーマは和洋折衷。ホタテを味噌・みりん・酒に漬け込んでうまみを凝縮しました。また、間のクリームチーズソースには、食感を楽しめるようにたくあんが入っています。ホタテは和と洋の料理とも相性が良く、クリームチーズとたくあんで和と洋を取り入れたとのこと。もともと、出場者の2人ともクリームチーズが好きなので絶対入れたかったそうです。

~最優秀賞~

そして、最優秀賞に輝いたのは、鹿児島県の神村学園高等部が開発したレシピ「いかそうめんと海鮮ムースのカダイフ風イカスミのソース」。2人組でエントリーしていましたが、 パートナーが体調不良により、最終審査会は上 優(氏名:かみ 名前:ゆう)さんのみで参加しました。こだわったポイントは「カダイフ麺の代わりに素麺を使用したこと」と「いかそうめん以外にも7種類の海の食材を使用したこと」。いかそうめんがテーマ食材だったため、素麺も使用すると面白いのではと思い考えたそうです。素麺は、霧吹きで麺をふやかして巻きやすいよう工夫。そして、海鮮の味が引き立つようにイカスミソースで仕上げた一品です。

鹿児島県 神村学園高等部 1年生 上 優さん


「今日ペアが不在でプレッシャーもありましたが、一番良い賞をお土産として持って帰ることができて嬉しいです。メニューは1か月くらいで考えて考案しました。試作しているときは素麺がなかなかパリッと仕上がらなくて悩んでいましたが、今日は本番でしっかり仕上げることができました。審査員のみなさんから、素麺がパリッとしていておいしかったとコメントをもらえた時は嬉しかったです。三陸・常磐の食材がテーマでしたが、魚介が好きなのでまだ食べたことがない食材や加工品もたくさん食べてみたいです」

 

審査員コメント

Maison Tateru Yoshinoプロデューサー 吉野建氏※1


「今の時代は、SNSの影響で世界が近く感じる中、携帯を持てば色々な知識や物語を手に取ることができます。また、プロスポーツに目を向けると、みなさんと同世代の10代で活躍している選手もいます。ぜひ自分の技を磨くために、たくさん勉強して将来に向けて頑張っていただきたいと思います」

 

中国料理 Wakiyaグループ オーナーシェフ 脇屋友詞氏


「レシピだけではなく、高校生のプレゼンの仕方なども含めて非常に素晴らしい最終審査会でした。人間は、食を通して成長して豊かになれると考えています。食べる人の笑顔を思い浮かべて作ると、料理はどんどん上達していきますので、これからも「作る喜び、食べる喜び」を持って頑張ってください」

 

国際日本料理協会 会長 藤口晃一氏


「食は、人の心を豊かにする側面があります。レシピをイメージして料理を考案する「考える力」は、人としても成長できる機会だと考えています。将来、ぜひ料理の業界に進出してもらい、幅を広げて頑張ってもらいたいと思いました。本日はありがとうございました」

 

若く柔軟な発想力から生まれたレシピは、水産加工品の可能性を改めて考える機会となりました。一次審査でレシピを考えた多くの高校生、そして予選を突破しトップシェフを前に自ら考案したレシピを調理し、審査してもらうという貴重な経験をした出場者たち。この経験を活かしてぜひ食の未来を広げていってほしいですね!

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