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NTTソノリティから世界初のオープンイヤー型集音器「cocoe Ear」が誕生! 12月23日(火)よりクラウドファンディング開始

NTT株式会社(以下NTT)のグループ会社であるNTTソノリティ株式会社(以下NTTソノリティ)は、12月3日(水)に「NTTソノリティcocoe記者発表会」を開催し、NTTの音響技術を活用した、新しい“聞こえ”で毎日を高めるブランド『cocoe(ココエ)』の立ち上げと、その第一弾として、世界初※のオープンイヤー型集音器「cocoe Ear(ココエイヤー)」を発表しました。

※ 耳かけ型&左右独立型&空気伝導型の集音器として(調査元:ステラアソシエ株式会社, 2025年11月時点)

発表会には、NTT株式会社 常務取締役 大西佐知子氏、NTTソノリティ株式会社 代表取締役社長 坂井博氏、cocoeプロダクトマネージャー 中野達也氏が登壇し、本事業にNTTグループが取り組む意義や「cocoe Ear」の特徴や開発背景を説明しました。

NTTグループより誕生した、新しい“聞こえ”で毎日を高めるブランド『cocoe』とは?

『cocoe(ココエ)』は、加齢や生活環境によって生じる“聞こえづらさ”に寄り添い、誰もが自分らしく会話や音を楽しめる社会の実現をめざして生まれたブランド。日本では約1,430万人が“聞こえ”に課題を抱えているといわれ、50代、60代でも約10人1人が聞こえづらさに関する不安を抱えているそうです。聞こえづらいと会話が減少し、認知症リスクや社会的孤立など、生活の質(QOL)を左右する社会課題にもなっています。そんな社会課題に対し『cocoe』は、聞こえづらさによる社会的孤立を防ぎ、誰もが自分らしく会話や生活を楽しめる社会の実現を目指します。

NTT常務取締役の大西氏は、「音への取り組みを通じて、新たなライフスタイルの提供につなげたい。“聞こえる”を通じて人の心と心をつなぐ。人の心と街をつなぐ。人の心と季節をつなぐ。そんな思いをこの製品に込めている」と述べました。

NTTグループは電話から始まり、半世紀以上に渡って音に関する研究開発を続ける中で、集音技術や音の状況理解、音響制御など、先進性の高い音響信号処理技術を進化させてきました。NTTソノリティは、NTTの音に関する特許技術を活用し、コロナ過を経て生まれた新しい暮らし方、働き方に対応したオープンイヤー型のイヤホンやヘッドホンをいち早く提供してきました。

その中で直面したのが“聞こえ”という社会課題だと言います。ミドルエイジを含めた幅広い世代で聞こえの悩みは顕在化しており、今後も増えていくと予測されていますが、補聴器の普及率は欧米が50%近いのに対し日本はなんと15%という調査結果も。聞こえづらいまま生活している人は多いと推測されます。その理由としては「煩わしい」や「それほどひどくない」など、まだ自分は大丈夫という意識や経済的な影響があるようです。一方で、NTTドコモの調査によると、シニアのSNS利用者は4年間で倍増の80%に。また、シニアの趣味としては散歩や旅行などが人気で、アクティブな大人が増えているようです。

NTTソノリティの代表取締役社長 坂井氏は、「自分から発信したり、人とつながったり、社会との関わりを持ち続ける人に向け、“聞こえ”の選択肢を届けられないか。そんな問題意識から今回の挑戦が始まった」と開発の背景を説明しました。

世界初のオープンイヤー型集音器「cocoe Ear(ココエイヤー)」が誕生!

「cocoe Ear」は、NTTの音響技術を活用し、NTTソノリティが開発した世界初の耳をふさがないオープンイヤー型集音器です。開発段階から50~70代の幅広い方へのインタビューや実証テストを重ね、数年にわたる開発期間を経て誕生しました。従来の耳穴をふさぐ集音器とは異なり、閉塞感や圧迫による不快さ、自分の声のこもりが生じにくく、長時間装着しても快適に使える軽量で開放的なデザインになっています。耳をふさがないことで、本来聞こえる音をそのまま耳に届けながら、不足分をデバイス側で増幅して補うことが可能。その集音機能には、低遅延の音声信号処理技術を搭載したことで、より自然な音質となっています。

前職で13年間補聴器の開発をしてきたというcocoeプロダクトマネージャーの中野氏は、「日本では、補聴器をつけることの抵抗感や、まだ大丈夫という心理的な障壁や価格が、気軽に購入しにくいという障壁があるため、もっと身近なものにしていきたいという思いがあった。そう考えていた頃、徐々にワイヤレスイヤホンが普及し、耳に何かをつけることが当たり前の時代がやってきた。この流れで新しい文化を作る。それがここでプロジェクトのスタート」と語り、「従来の集音器とは違い、オープンイヤー型の集音器は日常生活に溶け込み、必要なときに音を大きくできる」と、利点をアピールしました。

「cocoe Ear」製品特徴

NTTの特許技術「PSZ」※で、音漏れを抑制しながらオープンイヤーを実現

加齢によって聞こえにくくなる高音を増幅させ、低音は直接耳に届くようハイブリットな“聞こえ”を目指し開発。音の入力から出力までの時間差(=レイテンシー)を短くするため、高性能なチップを採用し、約0.0025秒という低遅延音声処理でより自然な音質を実現させました。また、音漏れを抑制するNTTの特許技術「PSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)」を搭載。ハウリングを抑える構造設計とチューニングのバランスの調整を幾度も重ね、世界初の空気伝導型のオープンイヤー型集音器が誕生しました。

※NTTコンピュータ&データサイエンス研究所が開発した技術。

片耳わずか約10g! 装着感とデザインにもこだわり

「必要なときにサッと使える」というユーザーの声に応え、片耳わずか約10gと一般的なメガネよりも軽い設計。耳にかけるだけで自動的に起動し、耳から外せば自動でOFFに。イヤホン自体にもメインボタンとボリュームボタンが付いており、ON/OFFの切り替えができます。

また、集音器としてだけでなくワイヤレスイヤホンとしても使用可能。デザインは“着けることの喜びを感じられること”を目指し、フックの形状やスピーカーの位置などさまざまな耳で検証。長時間着けていても負担を感じない自然な装着感を実現し、自宅だけでなく外出先での使用も想定し、持ち歩きやすさと使いやすさを両立しています。また、ヒアリングで「ワイヤレスイヤホンは落としそう」といった声も多く、取り外し可能なネックストラップも用意されています。

「cocoe Ear」の販売予定価格は39,600円(税込)。カラーはホワイト、ベージュ、ブラックとベーシックな3色展開です。

テレビ用Auracast(TM) トランスミッター「cocoe Link(ココエリンク)」も同時展開! 集音しながらテレビの音をイヤホンで聞ける

「cocoe Link」は、「家族と一緒にテレビを見たいけれど、音量を上げると迷惑をかけてしまう」という多くの声から生まれた、テレビ視聴をより快適にするワイヤレストランスミッターです。テレビと集音器がボタン一つでセキュアに接続され、自分にあった音量でテレビを聞きつつ、集音器として周囲とコミュニケーションをとることも可能になります。一人で静かに視聴するときも、大人数で同じ番組を楽しむときも、各自が快適な音量でテレビを共有できます。

「cocoe Link」の販売予定価格は10,500円(税込)。カラーはブラックのみ。

専用アプリ「cocoe Connect(ココエコネクト)」でもっと快適に

「cocoe Ear」単体での操作も可能ですが、スマートフォンを利用する人向けに、専用アプリ「cocoe Connect」を新規開発。スマートフォンの操作が苦手な人でも迷わず使えるよう設計された、シンプルで直感的なUIが特長です。アプリ上では「集音モード」と「TVモード」の切り替えがスムーズに行えるほか、音量や音質などの調整も簡単に操作できます。また、大きなボタンと視認性の高い画面デザインにより、誰でも安心して使えるデザインを採用。自分に合った“聞こえ”をスマートフォン一つで自在にコントロールできるアプリです。

発表会では、タッチ&トライのコーナーも用意されており、筆者も実際に装着して体験してみました。

耳の上にかけるだけの簡単装着で、その軽さにより自然な着け心地。耳にかけるとスイッチがオンになりアナウンスと共に周りの声や自分の声までもがクリアに大きく聞こえ、着けると着けないとでは全く聞こえ方が変わりました。特に話し声が耳元ではっきりと聞こえやすくなり、雑音などは気にならなかったのが驚きました。

また、アプリでの操作もしてみましたが、音量の上下と集音のON/OFFなどがメインで、画面がシンプルで分かりやすかったです。音量のコントロールにより聞こえやすさを自分好みに調整でき、集音しながらミュージックアプリから音楽を聴いたり、集音をオフにして音楽に集中したりもできます。見た目はワイヤレスのオープンイヤーイヤホンをただ着けているかのようで、実は集音機能が付いている「cocoe Ear」は、“集音器”を装着することに抵抗のある人や若い世代にも取り入れやすいと感じました。

12月23日よりクラウドファンディング開始! 製品展示やトライアルも実施

「cocoe Ear」と「cocoe Link」は、2025年12月23日(火)より、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING(グリーンファンディング)」にてプロジェクトを開始。「cocoe Ear」は最大30%オフのリターン、「cocoe Link」は「cocoe Ear」とセットで最大35%オフのリターンが用意されています。

製品展示は蔦屋家電+(二子玉川)、SHIBUYA TSUTAYA、福岡天神 蔦屋書店で2025年12月23日(火)~2026年1月22日(木)まで実施。また、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と連携し、本製品を活用した店頭応対トライアルを、ドコモショップ丸の内店、札幌店、六本松店にて12月3日(水)~12月31日(水)までの期間で行っています。

「cocoe Ear」はオープンイヤー型で自然な聞こえを実現し、機能面もデザインもより多くの人に受け入れやすい製品になっています。一般販売は来春を予定とのこと。気になる方はぜひ展示やトライアルで一度体験してみてはいかがでしょうか。

「cocoe」公式サイト:https://cocoe.ntt-sonority.com