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若者の旅行が復調? シルバーウィークの旅行予定は前年比7.6%増、熱海・江の島が2年連続TOP10

11年ぶりに5連休となる2026年のシルバーウィークを前に、旅行予定の登録が増えています。TimeTree未来総合研究所が、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」に登録された予定を分析したところ、2026年のシルバーウィーク期間における「旅行」の予定は前年比7.6%増加しました。特に目立つのが10代・20代で、10代は25%増、20代は11%増。今回増加した旅行予定の約98%を、この2つの年代が占めています。なかでも目を引くのが、10代の旅行予定の伸び。前年から25%増加しただけでなく、旅行先では熱海と江の島が2年連続でTOP10入りしました。

旅行予定の増加を支える10代・20代

2026年のシルバーウィークは、9月19日(土)から9月23日(水)までの5連休。この形のシルバーウィークは2015年以来で、11年ぶりとなります。そこでTimeTreeに登録された予定を分析すると、期間中の「旅行」の予定は1万件あたり66.0件。2025年の61.3件から7.6%増加し、2019年の69.3件と比べても約95%の水準まで戻っています。

年代別に見ると、10代は25%増、20代は11%増。一方、30代以上は前年比1%減から4%増にとどまり、ほぼ前年並みでした。今回増えた旅行予定の約98%を10代・20代が占めており、シルバーウィークの旅行需要を若年層がけん引していることが分かります。

また、2019年との比較では10代の旅行予定がコロナ禍前の水準を上回る一方、20代以上はまだ届いていません。若者を中心に旅行予定が増えているものの、旅行需要全体が完全にコロナ禍前へ戻ったわけではないようです。

国内の行き先が上位、海外は韓国のみ

旅行予定が増えるなか、行き先にも特徴が見られます。

TimeTreeのデータでは、東京、大阪、沖縄、北海道など国内の行き先が各年代で上位を占めました。10位以内に入った海外の行き先は韓国のみです。また、「旅行」を含む予定全体が前年比7.6%増だったのに対し、海外の国・地域や都市を含む予定は1.8%増にとどまりました。

この数字だけで「海外旅行から国内旅行へシフトした」とまでは言えません。ただ、2026年のシルバーウィークでは、旅行予定が増えるなかでも国内の行き先が中心となっていることは分かります。

一方、若年層を対象とした別の調査では、海外旅行を検討したものの、国内旅行へ変更したケースも確認されています。GMO NIKKOが2026年4月に18~28歳の大学生・社会人500人を対象に実施した調査(※1)では、国内旅行のみを予定している人の53.7%が、もともとは海外旅行も選択肢に入れていたと回答。「円安・物価高の影響」「世界情勢への不安」「航空券・ホテルが高すぎる」などが変更理由として挙げられています。

ただし、この調査は夏休み旅行を対象としたものであり、TimeTreeのシルバーウィークのデータとは対象や調査時期が異なります。両者を直接結びつけるのではなく、若年層の旅行先選びに費用や情勢が影響している一例として見るのが適切でしょう。

若者の旅行先、熱海・江の島が2年連続TOP10

今回、10代の旅行先で特に目を引くのが、熱海と江の島です。

2026年の10代の旅行先TOP10に、熱海と江の島がランクイン。さらに2025年も、江の島は9位、熱海は10位に入っており、2年連続でTOP10入りしています。加えて、毎年9月の予定登録数を見ると、熱海と江の島はいずれも2026年が前年を上回りました。

全国的な観光地が上位に並ぶなか、熱海と江の島のような比較的都心から近い観光地が10代から継続して選ばれている点は、今回のデータの特徴といえそうです。2025年のシルバーウィークでも、TimeTreeの予定データでは、連休後半に長野・那須・箱根などがランクインしました。前年にも、比較的アクセスしやすい観光地が旅行先として選ばれていたことが分かります。

「非日常・SNS映え・体験」若者が求める旅行とは?

では、なぜ熱海や江の島が若い世代から選ばれているのでしょうか。TimeTreeのデータだけでは、その理由までは分かりません。ただ、若年層の旅行に対する意識を見ると、一つの背景は見えてきます。

JTB総合研究所が2025年2月に18~29歳を対象に実施した調査(※2)では、Z世代女性のタイパを意識した行動が目立ちました。「好きなことをする時間のために、他のことは時短したい」と回答した女性29歳以下は80.6%。旅行についても、男女ともに「SNS映えをする場所を巡る」というスタイルが他世代より高くなっています。さらに、Z世代に「旅」を表す言葉を尋ねたところ、男性29歳以下では「趣味」「自然」「非現実な体験」、女性29歳以下では「思い出づくり」「ご褒美」などが上位に挙がりました。

こうした結果からは、若者にとって旅行が、単に遠くへ移動することだけではなく、日常から離れた「非日常」を味わい、写真や思い出に残る場所を訪れ、その土地ならではの「体験」を楽しむ時間として捉えられていることがうかがえます。

熱海なら温泉や海、食べ歩きなど、江の島なら海辺の景色や飲食店、周辺の散策など、比較的短い移動でもさまざまな楽しみ方があります。こうした「移動にかける時間を抑えながら、複数の体験を楽しめる」という特徴は、若者の旅行スタイルと重なる部分があるのかもしれません。

もちろん、TimeTreeのデータだけで、コスパやタイパを重視する若者が熱海や江の島を選んでいると断定することはできません。ただ、10代の旅行予定が増えるなかで、両地域が2年連続でTOP10に入っていることは事実です。

こうした動きから見えてくるのは、若者の旅行先選びでは「どこへ行くか」だけでなく、「限られた時間や予算で何を楽しめるか」も一つのポイントになっているのではないか、ということです。

「コスパ・タイパ」で変わる? 若者の旅行先選び

2026年は10代・20代の旅行予定が大きく増えています。その一方で、10代の旅行先では熱海や江の島のような比較的アクセスしやすい観光地が2年続けてTOP10に入りました。2年だけで「定番化」とまでは言えませんが、今年9月の予定登録数も前年を上回っています。若者の旅行意欲が高まるなか、こうした観光地が今後も選ばれ続けるのか、注目されます。

限られた時間や予算のなかで、移動にかかる負担を抑えながら、その土地ならではの体験を楽しむ。こうした「コスパ・タイパ」を意識した旅行の選び方が、今後どこまで広がっていくのかは気になるところです。

若者を呼び込みたい観光地や自治体にとっても、単に有名な観光スポットをPRするだけではなく、10代・20代がどのように時間とお金を使い、どんな体験に価値を感じるのかを捉えることが、今後の観光PRを考える一つのヒントになりそうです。


【調査概要】
TimeTree未来総合研究所「予定データで読み解くシルバーウィーク」
分析対象期間:2019年1月1日~2026年9月6日
分析対象:TimeTreeに登録された予定データ
※分析に使用したデータは、匿名性を保つため統計的に処理されています。

TimeTree未来総合研究所 : https://timetreeapp.com/intl/ja/future-research-institute
株式会社TimeTree : https://timetreeapp.com/intl/ja/about

※1 「Z世代の2026年夏休み旅行」に関する調査(GMO NIKKO株式会社/Z世代トレンドラボ byGMO、2026年4月実施)
※2 「Z世代の暮らしと旅」(ライフスタイルと旅行に関する調査2025/JTB総合研究所、2025年2月実施)