コロナ禍で、介護や保育などに従事する福祉職が、「エッセンシャルワーカー」として、改めて注目されています。しかしその一方では、厚生労働省の2022年版「厚生労働白書」(2022.9発表、テーマ「社会保障を支える人材の確保」)によると、2040年に医療・福祉分野で100万人程度の人手不足が生じると推測されています。人材確保が益々課題となる可能性のある社会福祉の業界。
そんな業界で、「クリエイティブで、最先端な福祉の仕事」に取り組む若手職員の挑戦を広く発信することで、現場の職員と未来の福祉を担う学生に、目標や奮起を与えていきたい…!!
そうした熱い想いで創設されたのが、今回紹介する「社会福祉ヒーローズ」賞です。
「全国社会福祉法人経営者協議会」が、社会福祉の現場の第一線で活躍する若手職員を表彰する賞で、2018年3月に誕生しました。賞の対象者は、介護のほか、保育、障がい者支援などに従事する20~30代の若手職員の皆さん。「社会福祉ヒーローズ」賞の5回目の今回、全国各地から過去最多の68人から応募があり、その中から、受賞者7人が決定されました。
“創意工夫を凝らした新たな福祉”に挑戦する、7都県(東京・千葉・神奈川・兵庫・岡山・島根・大分)の7人で、平均年齢は31歳(2023.1.26時点)と、まさしく若手!
7人それぞれの実践内容は、とてもユニーク、かつ、今後のさらなる活躍に期待がいっぱいなものばかりが揃っています。
例えば、「ロボットやICT機器を活用した介護DX」「TikTokで職員採用」「子ども主体の保育の環境づくり」といった、業界の常識にとらわれない挑戦の数々。
写真は、SNSのフォロワー数が、業界随一を誇る、介護老人福祉施設「やまゆりの里」のSNS担当(相談員・介護福祉士)の稲葉夏輝さんの活動(SNS投稿画面)。「介護の仕事」の魅力を発信し、人材採用につなげています。
さらには、「発達障がいの子ども支援」「障がい者雇用の促進」といった、福祉業界が抱える課題解決を目指す実践に取り組む方もいます。
写真は、千葉県袖ケ浦市「佑啓会」で、新卒採用を担当する弓場洸紀さんの活動の様子。「障がいをもつ方と一緒に働く意味」を学生(就活生)と議論するグループディスカッションの場を設けることで、本当の意味での「障がい者雇用」促進を目指しています。
福祉業界の日本一を決定する全国大会開催!学生ら若者に“仕事の魅力”を発信する場に
今回選ばれたファイナリスト7人は、プレゼンで“日本一の福祉ヒーロー”を決める全国大会「社会福祉ヒーローズ トーキョー 2022」に登壇します。同イベントは、2月28日(火)に行い、7人は地域での活動や実践している挑戦(介護・保育・障がい者支援等)について、会場のステージで熱くスピーチしていきます。
イベントはオンライン(YouTubeLIVE)で生配信し、大学生や専門学生、現場の職員に視聴を呼びかけることで、未来の日本社会を支える若者に“福祉の仕事の魅力”を発信する、という目的があります。
審査方法は、学生らオンライン視聴者や会場の有識者などの投票形式。最多得票者に最優秀賞「ベストヒーロー賞」を授与し、福祉業界の“日本一のヒーロー”を決定します。
もちろんイベントの後も、7人の益々の活躍に期待大です!