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全世界でユーザー数5,500万人を突破した「TimeTree」が 新たなMVVを発表!「次はスケジューリングの時代が来る」

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」(タイムツリー)を運営する株式会社TimeTreeは、2024年9月1日に設立10周年を迎えました。

同社が運営するカレンダーシェアアプリ「TimeTree」は、“スマホの中の壁掛けカレンダー”として、多くのユーザーに利用されており、2024年4月には全世界で登録ユーザー数が5,500万を突破しました。

去る2024年9月25日には、「株式会社TimeTree 設立10周年記念 メディア説明会」が行われ、株式会社TimeTreeが歩んできた10年間の歴史や、今後の事業計画や展望について発表がされました。

新たな収益の柱として注力する「公開カレンダー」

冒頭では、株式会社TimeTree 代表取締役社長の深川 泰斗氏が登壇しました。

TimeTreeは、誰でも簡単にグループでカレンダーを共有できることに加えて、“予定を登録する”ということをひとつのコミュニケーションと捉え、予定を通じたやり取りができるカレンダーサービスです。

恋人や家族といった身近なグループで使われているほか、最近では学校の部活やサークル、職場でのシフトやミーティングスケジュールの共有など、TimeTreeの利用シーンが非常に広がっているそうです。

2015年3月にサービスを開始して以来、「プライベート × 共有」で独自のポジションを確立し、2024年4月には全世界で登録ユーザー数が5,500万を突破しました。

「日本以外の国では、アメリカ、ドイツ、台湾、 イギリス、韓国のユーザーが多く、現在は1か月に約100万ユーザーが増え続けています。また、『App Store Best of 2015』にも選出されるなど、初期の頃からアップルにも注目いただいていて、アップルCEOのティム・クックもTimeTreeのオフィスを訪れる機会もありました」(深川氏)

TimeTreeは、図のようにカレンダーサービスのUXや予定のデータを活かしたtoB向けの「TimeTree Ads」と、toC向けに提供する有料プラン「TimeTreeプレミアム」のサブスクリプションが主な収益の柱となっています。

そして、2024年4月にリリースした「公開カレンダー」は、新たなビジネスモデルとして注力するイベント情報プラットフォームです。

深川氏は「ユーザーはイベント情報をピンポイントで見つけられない、事業者はユーザーにイベント情報をうまく届けられないという双方が抱える課題の解決になる」と現状の課題をあげて説明されました。

カレンダー形式でイベント情報を発信することで、TimeTreeのユーザーは自分のカレンダーに入れている予定と、イベント情報を重ねながら“行きたいイベント”を発見できるようになるとのこと。

すでに楽天市場ではセール情報、Abemaではヨーロッパサッカーの試合日程、TBSではバレーボール ネーションズリーグの放送予定や選手の誕生日など、さまざまな企業による「公開カレンダー」のユースケースが生まれています。

カレンダービジネスの3つの可能性

こうしたなか、深川氏はカレンダービジネスの3つの可能性を示しました。

まずは「覚えてもらえる」「動いてもらえる」顧客コミュニケーションです。

カレンダーのUI/UXを最大限活用し、セール情報や新商品の発売日、キャンペーンなど“日付の訴求”をすることで、生活者の行動想起や行動変化につながる広告メディアとしての価値を見出せるわけです。

「毎週何曜日は〇〇の日」という形で、購買想起やブランド認知を図り、生活者の習慣化を提案したいという企業が多いなか、カレンダーをきっかけにした生活者との接点創出は、新たなコミュニケーション手法になるのではないでしょうか。

2つ目は「推し活」領域への拡大です。

アイドルがライブのスケジュールやチケットの発売日、グッズの販売日、生配信予定などを公開カレンダーで発信するケースが増えており、「直近ではお笑い芸人やVTuberといった色々なエンタメジャンルに広がっている」と深川氏はコメント。

「クリエイターの方がビジネスに役立てられるように、ファンに向けて販売できる『公開カレンダーウィジェット』も現在開発しています。スマホのホーム画面に “日めくりカレンダー”のようにアイドルの画像が変わったり、イベントの予定が表示されたりするようになります」(深川氏)

そして3つ目はカレンダーの予定データを活用した、生活者インサイトの発掘と還元です。
TimeTreeの社内研究所「TimeTree未来総合研究所」では、膨大な予定データを統計的に分析し、そこから読み解く世の中の時流や未来の兆しをレポート形式で発信しています。

TimeTreeのユーザーが登録した予定データは累計で100億件以上あり、毎月数億件も増えているようなボリューム感だからこそ、“生活者インサイトの宝庫”だと深川氏は述べました。

例えば、車の予定がカレンダーに入るとき、「生活者にどのようなライフステージがあるのか」というのを関連させて、インサイト分析を行うことができるそうです。

加えて、TimeTreeは世界中で幅広いユーザーに使われるからこそ、性別や年代ごとの予定比較はもちろん、国や言語別での予定比較も可能となっています。

「TimeTree Agent」でAI時代の新たなプレイヤーを目指す

続いては、株式会社TimeTree 代表取締役 / 最高戦略責任者 CSOの朴 且鎮(パク チャジン)氏が登壇し、TimeTreeが見据える今後の展望を語りました。

同氏は「時代の変遷に合わせて、新たなツールが生まれてきた。電話から始まり、メールが生まれ、SNSで人同士の繋がりが可視化されたなか、その次の未来は、スケジューリングの時代だと認識している」と話しました。

現在のAI時代においては「文脈で発見し、文脈で繋がる」ことが求められており、TimeTreeも生成AIを活用した「予定スキャン機能」や膨大な予定データから予定単位での最適なレコメンドなど、AIを取り入れたサービスのブラッシュアップを進めているそうです。

「TimeTreeが目指すのは、Calendar GPTなるものとして『TimeTree Agent』で、ユーザーの作成するイベントやToDoの予定データをライフサイクルやライフステージ、ライフスタイルごとに分析し、『予定を登録すれば、予定に必要な予約が完了する未来』です。直近では、深川が述べた『コミュニティの予定共有』や『推し活の公開カレンダー』の利用拡大を図り、ユーザー数を1億人に伸ばしていきたいと考えています」(朴氏)

最後に、会社設立10周年を機に刷新したMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の説明を深川氏が行い、締め括りました。

「『誘おう』をつくる、『人と共に生きる未来へ誘おう』というミッションとビジョンを定めたのは、共に生きる誰かと予定を共有し、旅行やイベントなどを企画して誘う人こそ、TimeTreeが背中を押すべき存在だと思ったからです。そうしたミッションやビジョンを実現するために、『誘われるのを待たない』、『手元の「目的」を忘れる勇気を持とう』、『だれもためらわない環境を』という3つのバリューを策定しました。これからもTimeTreeが人々のポジティブな人生や、日々の時間を世界に増やせるように尽力していければと思います」

生成AIが話題の昨今ですが、予定の入れ方から変わりそうですね。今後、TimeTreeがどのように進化していくのか注目です!